函館上映会タイムテーブルと作品紹介
タイムテーブル
9:30~ 開場
9:45~ 「彼らが本気で編むときは、」 第1回目上映(127分)
12:30~ 学生主体企画「『ふつう』ってなんだろう グループディスカッション」
(60分)
13:45~ 「彼らが本気で編むときは、」 第2回目上映(127分)
上映作品紹介
優しさに満ちたトランスジェンダーの女リンコ(生田斗真)と彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ(桐谷健太)。そんなカップルの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ(柿原りんか)。本当の家族ではないけれど、3人で過ごす特別な日々は、幸せに満ちた素晴らしい時間だった・・。
桜の季節に出会った3人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日。
函館上映会学生企画
学生主催企画①
『ふつう』ってなんだろう―多様性から考える グループディスカッション
12時30分~13時30分
概要
午後12時30分より来場者参加型のグループディスカッションを行います。映画鑑賞後にテーマの「多様性」について、各グループで考えを話し合い、その後会場全体でも共有を行います。
全体進行と各グループのファシリテーターは教育大学の学生が行い、1グループ6名程度のグループをつくり、それぞれの意見を出し合います。
学生主催企画②
ユニバーサル上映について知ろう ポスターセッション
概要
上映ホール外で、『ユニバーサル上映とは?』というテーマで、音声ガイド、日本語字幕、ミュージックサインについてのポスターセッションブースを設置し、学生担当者の説明を通してユニバーサル上映を知っていただこうという内容になっています。
ユニバーサル函館上映会開催のごあいさつ(学生実行委員長)
北海道教育大学函館校の「地域プロジェクト」2期生メンバーをまとめてくれていた渡部実行委員長のごあいさつ文です。
こちらも当日配布パンフ掲載用の文章になります。
ご挨拶
北海道ユニバーサル上映映画祭in函館 実行委員長 渡部 哲真
(北海道教育大学函館校国際地域学科 3年)
本日は、第12回北海道ユニバーサル上映映画祭函館上映会にご来場いただき、誠にありがとうございます。
北海道教育大学函館校国際地域学科には、地域の活性化や再生に取り組んでいる地元の企業、団体、組織と連携し地域課題の解決を目指しながら、そこに学び、貢献していくことを目的とした科目「地域プロジェクト」が開設されております。私たちは、この授業の一環として、昨年10月から北海道ユニバーサル上映映画祭実行委員会との連携・協働のもと、ユニバーサルな環境に配慮した上映会の開催に取り組んで参りました。地域プロジェクト一期生が運営した去年の函館上映会、そして今年の七飯、北斗上映会、この三つの経験を踏まえて私たちはノウハウを勉強し、その成果を発揮できるのが今日この場所で最初で最後となります。地域プロジェクトのメンバーと事務局の皆様それぞれが今日という日を迎えるために日々活動に取り組んで参りました。そんな私たちが積み重ねてきた思いが皆さんに伝われば幸いです。今回の函館での上映会も、去年の函館での上映会と同じように学生が主体となって準備や運営を行っています。その成果であるこれまでの映画祭、上映会の雰囲気に加え、学生の力というものを感じていただけたらとても嬉しいです。
最後になりますが、この場をお借りして本日の函館上映会の開催にあたり、ご支援・ご協力・ご協賛いただきましたすべての皆様に心より感謝申し上げます。皆様のお力添えがなければ、このような形での函館上映会開催には至らなかったと思います。本当にありがとうございます。これを機に、本日ご来場の皆様が北海道ユニバーサル上映映画祭の今後の活動にご注目してくださることを願っております。
ユニバーサル函館上映会開催のごあいさつ
11月26日開催、ユニバーサル函館上映会の当日配布パンフレットより、主催者あいさつ文を掲載させていただきます。
ごあいさつ
北海道ユニバーサル上映映画祭 実行委員会 代表 島 信一朗
本日は第12回北海道ユニバーサル上映映画祭函館上映会にお越しいただき、まことにありがとうございます。
北海道教育大学函館校の学生たちが、本映画祭実行委員会に主体的に参画する「地域プロジェクト」がスタートして2年目。今年も2期生の学生たちが中心となって上映作品の選定・企画立案から当日運営にいたる様々な役割の一翼を担ってきました。
今年の学生たちが打ち出した上映企画のテーマは「多様性」です。この実に遍(あまね)くも且つ奥行きの深いテーマを、映画「彼らが本気で編むときは、」に秘められた大切なメッセージと共に、テーマに込めた学生たちの真摯な思いを感じ取っていただけますと幸いに存じます。
「ユニバーサル」の意は普遍、全ての事物に共通する性質のこと。私たち人間にとってのユニバーサルは、障害健常、年齢性別、子供からお年寄りに至る全ての人が皆一人一人違う存在であるということ。そして、同時に誰もが皆等しくかけがえのない大切な存在であるということです。北海道ユニバーサル上映映画祭は、これまでの12年間、この「ユニバーサル」の意からたくさんの学びを得て、今日まで地域で支えてくださる多くの皆様に育てていただきました。
本開催では、未来の宝である若い世代の人達が中心となって、テーマの「多様性」について考える機会を提供し、それぞれに自分と違う他者を肯定的に認め合い、大切な存在として尊重し合う経験から、たくさんの学びと気づきを共有させていただけますことに、実に感慨深い嬉しさを感じております。
また、学生たちが今回の上映作品に選んでくれた映画「彼らが本気で編むときは、」は、しっかりとしたぶれない一本の芯が通った実に味わい深い作品です。ぜひ名作の深味ある感動を余すことなくお楽しみいただき、そしてその余韻を大切な誰かと共有して、ぜひ「多様性」について語り合う機会にしていただけますと大変幸甚に存じます。
結びに、本上映会開催に際し、格別なるご理解・ご支援・ご協力を賜りました皆様に対しまして、衷心より厚く御礼申し上げます。 本日はまことにありがとうございました。
ユニバーサル上映映画祭にみる映画芸術の文化性②
◆映画芸術の文化性を考察する
・感動を分かち合う人と人との繋がりの中に育まれてきた文化性
私たちは、音声ガイドやミュージックサインなどのユニバーサル上映環境を作製する上で、視覚障害者や聴覚障害者と一緒に隣の席で感動を分かち合うことをイメージしながら、一つひとつの映画を深く読み解き、手作りで丁寧に作り上げてきました。 その実践を通して、映画作品に込められた凝縮された圧倒的なエネルギーに触れ、その度に総合芸術である映画の文化性の奥深さに出会わせていただくこととなりました。
目から入る情報と耳から入る情報を透明化した時、その行間や背景にある感動の本質がはっきりと見えてくる・聞こえてくるのです。
これは映画は目で見るものではない。音楽は耳で聞くものではない。心で感じるものだということの核心です。 総合芸術である映画に凝縮されたエネルギーは、決して表面的な感覚で感じるものではなく、人間の本質的なところ、心の深いところを揺れ動かすのです。
そして、この感動の波動は、自分一人だけの心に収められない感動の余韻となって、 大切な誰かと共有したくなる気持ちが自然と込み上げてくるのです。
私たちは、大切な仲間である視覚障害者や聴覚障害者と一緒に感動を分かち合いたいという気持ちで寄り添う実体験を通じて、この大切なことに気づかせていただくことができました。 このように映画の歴史は、一人で鑑賞して完結してしまうものではなく、感動の余韻を分かち合い・語り合うという人と人との繋がりを作り出すことで発展してきた実に奥深い文化なのです。